7.技術から顧客ニーズ・マーケティング重視

日本人は、「仕事さえしっかりやれば、お金はあとからついてくる」とか、「技術さえあればいつか顧客もわかってくれる」といった職人発想的な話が大好きです。
 愚直に仕事をして、それがある日突然報われるような、サクセスストーリーもたくさんあります。

 しかし、需要が供給を上手まわる時代は、こういうサクセスストーリーは生まれるでしょうが、現在ではどうでしょうか?
 日本製品をみれば、高機能で付加的な機能が満載ですが、みなさんは、携帯電話の機能の何割を使いこなせていますか?
どんなに高機能や技術力を謳っても、顧客のニーズに合致していなければ、ただの独りよがりです。

また、近年は、IT革命により情報入手が容易になりました。「職人にまかせておけば大丈夫」、「素人は黙ってろ」的な発想は通じません。
消費者や顧客は、自分で調べて検討もできますし、細かい要求も増えています。
特に建設分野は、顧客にとって高額で重要な出費です。
顧客の利益を如何に充たしているか、きめ細かく対応し、良い情報も悪い情報も含めて説明することが求められています。

 これからの時代は、顧客ニーズ・マーケティング重視した企業が生き残るでしょう。
 如何にニーズを正確にとらえて、顧客の満足度を向上させていくかが競争の本質になります。

 顧客ニーズ重視の経営というのは、「マーケット・イン」と呼ばれる発想です。
 マーケティングが重要性が高まっています。マーケティングというのは、売れる仕組みを作ることです。(営業のみではありません)
 顧客ニーズの認識→情報提供と認知→提案→受注→施工→メンテナンスという、建設業のサプライチェーン全体での取り組みが必要です。これは、技術力だけでなく、サービス、工期、メンテナンスを含めて全社的な取り組みが必要になっています。

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